アドラー心理学『幸せになる勇気』を婚活に生かす～愛の担保～ | 名古屋の結婚相談所プリヴェールがおくる婚活コラム

アドラー心理学の本『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』は二部作です。

（著：岸見一郎、古賀史健・発行所：ダイヤモンド社）

今回は『幸せになる勇気』の中から、愛についてです。

フロムの言葉を引用します。

「人は意識のうえでは愛されないことを恐れているが、

ほんとうは、無意識のなかで、愛することを恐れているのである」

「愛するとは、なんの保証もないのに行動を起こすことであり、こちらが愛せばきっと相手の心にも

愛が生まれるだろうという希望に、全面的に自分をゆだねることである」

私達は人を好きになるときに、相手の自分への好意を感じて、その人のことが気になって意識するようになり、自分も相手を好きになる…

というパターンがよくあると思います。

“相手からの好意を感じたから”好きになった、ということは、

・フラれる可能性が低い

・両想いなってうまくいく可能性が高い

　　　　　↓

・自分の好意を受け入れてくれるはず

・傷つかなくて済む

　　⇒“愛の担保”があるから、この担保を頼りに、より深く愛していくことができる。

この流れが、一般的によくある恋愛の流れです。

一方、フロムの語る「愛すること」は、そのような担保を一切気にせず、

“相手が自分のことをどう思っているかなど関係なしに、ただ愛する”というのです。

人は傷つきたくないから愛の担保を求めるというよりも、「傷つくに違いない」と半ば確信をしている。

自分のこと愛せていないし、自分のことを信頼できていないために、「こんな自分を愛してくれる人などいるはずがない」と決めつけてしまっているのだと言います。

これは、自分は優れた人間ではないから、誰とも愛の関係を築くことができないという典型的な劣等コンプレックスの発想です。

ここで必要なのは、課題の分離です。

相手があなたの愛にどう応えるかは相手の課題であり、あなたが介入できることではありません。

あなたがやるべきことは、ただ自ら先に愛すること、それだけです。

「相手が自分を愛してくれるから自分も愛する」という姿勢では結局自分のことしか考えておらず、そんな態度でいるあなたを愛してくれる人がいるのでしょうか？ということまで述べられています。

◆運命の人は、いない

誰かのことを愛したいと思っているけれど、「出会いがない」から愛すべき人に出会えていない、「運命的な出会いがない」と、

全ては「出会いがない」から恋愛が始まらないんだと考えている人がほとんどですよね。

しかしアドラーは、恋愛にしろ人生全般にしろ、「運命の人」を一切認めていません。

毎日普通に生活をしていれば、誰でもたくさんの人と出会っています。

しかしそのささやかな出会いを発展させるには、自分から何かしらのアクションを起こさねばならず、その勇気が必要です。

その勇気を持てなかった人が「運命の人」という幻想にすがりつく。…とまで言っているのです。

目の前に出会いがあるのに、「この人ではない」、「もっと理想的な完璧な運命的な相手がいるはずだ」と、

あらゆる候補者を、自らの手で排除しているのです。

これが、「出会いがない」と嘆く人の正体だと考えて下さい。…と述べています。

今回の愛の担保という考え方、衝撃的でした。

また、出会いは誰にでもあるけれど、その出会いを生かすも生かさないも自分次第…ということにも。

～だったら、～してればと言い訳して、自分でアクションを起こしていないことに違う理由付けをしている内は、

現実ではなく、可能性の中に生きているということです。

可能性の中に生きている内は「幸せはいつか向こうからやってくる」と思っているので、その“いつか”を信じて待っていればいいのですが、自分が行動しない限り現状はまず変わらない、ということなのですね。

次回は、アドラー心理学『幸せになる勇気』から、運命の人はいないとテーマでお送りします！